専門療法のご案内

修正型電気けいれん療法(m-ECT)

電気けいれん療法(ECT)は1938年以降多くの患者さんに対して行われている治療法です。適応疾患としては、うつ病、躁うつ病、統合失調症、その他の神経疾患などがあります。特にうつ病に対しては改善率が高く、安全性の高い治療法であることが知られています。近年は患者さんの不快感、骨折、脱臼の危険などを回避するために、麻酔下での電気けいれん療法(修正型電気けいれん療法:m-ECT)が広く行われるようになっています。総合心療センターひながでは県立総合医療センター麻酔科と連携し、2020年10月より修正型電気けいれん療法を施行しています。

治療抵抗性統合失調症治療

クロザピン(商品名:クロザリル)は一般的な薬物療法では治療が困難な「治療抵抗性統合失調症」に対する効果が認められた唯一の治療薬です。クロザピンは重篤な副作用が起こりうるため一部の医療機関でしか取扱いができませんが、当院は基準をクリアした施設として登録されており、実際に長期入院を余儀なくされていた患者さんがクロザピン投与により退院した事例も経験しています。またより安全な治療を目指すべく、クロザピンの血中濃度をモニタリングする研究を鈴鹿医療科学大学薬学部と共同して行っております。

栄養指導

当院では、生活習慣病である糖尿病、脂質異常症、高血圧症など、さらに持病としての心臓病、腎臓病、貧血などの治療の一環として管理栄養士が患者さんの状況にあった栄養相談を行っています。また、患者さんの退院後の生活状況に合わせて、食事メニューのバリエーションをわかりやすくリーフレットなどを用いて指導させて頂きます。その他にも患者さんのニーズに沿った栄養指導を行っています。

心理検査

心理検査には知能検査、投影法検査、神経心理学的検査などさまざまな種類があり、目的に応じていくつかを組み合わせて行います。医師の行う診断や病状の評価を補助することが心理検査の主な目的ですが、病気やその人の苦手なところだけでなく、健康的な面や強みにも焦点を当てて、役立つ支援や強みを活かす工夫を提案していきます。

薬剤管理指導

入院患者さんの最適な薬物治療のために薬学的視点から治療を支援するべく、医師や看護師などの他職種と連携を取りながら処方されたくすりの量や飲み合わせ、副作用の有無についてチェックを行い患者さん一人一人にあった処方提案などを行っています。また、薬による治療を正しく理解していただくために、患者さん、ご家族の方々に服薬指導を行っています。

作業療法

作業療法士はリハビリテーションの専門家です。必要に応じて、生活のしづらさに影響する認知機能(記憶、集中力、遂行機能など)の評価を行いつつ、患者さんが自分らしい生活を取り戻せるよう、身近な手作業(裁縫、編み物、革細工など)、スポーツ、グループワークを使って心身の早期回復を目指します。また、再発予防に向けたプログラムにも積極的に取り組んでいます。